本書、「正しく知る地球温暖化(赤祖父俊一)」(参照)は非常に評価が難しい本だ。本書の主張を一言でいえば、地球は温暖化しているが人類が排出する温暖化ガスの影響はわずかだ、ということになる。当然ながら、であるなら、現在の日本を含め、各国で推進されている二酸化炭素など温暖化ガス排出を低減する試みはほぼナンセンスだということになる。実際、著者の赤祖父は「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」に明確に反論している。 ではなぜ、温暖化が進行しているのか、という問題について、赤祖父は、人類が関与するところの少ない地球の気候変動の一環であり、現在は1400~1800年の「小氷河期」からの回復期にあるためだとしている。 しかし、いずれにしても温暖化が避けられないなら、人類の危機は迫っているのではないかという、いわばこれまでマスメディアを通して送られてきた一種の終末的なイメージについて、赤祖父はこう述べる