東芝の100%子会社で照明器具製造の東芝ライテック(神奈川県横須賀市)で、東京国税局による税務調査をきっかけに、元女性社員による9億円超の横領が見つかっていたことが1日、同社などへの取材で分かった。 関係者によると、元社員は資材調達部門に所属。10年以上前から水増し発注を繰り返し、取引先から水増し分を還流させていた。 国税局は、会社には横領被害の発生と同時に、元社員に対する損害賠償権が生まれると判断。実際に賠償されていなくても利益に当たるとして、課税時効にかからない2011年3月期までの7年間で約9億6000万円の申告漏れを指摘した。赤字決算の年もあったため、追徴課税は約2800万円。 横領した金額のほとんどが弁済されていないという。東芝ライテックは「あってはならない不正。当局の指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めたい」としている。(共同) [2012年3月1日13時33分] 社