「悪法も法だ。 法によって死刑という判決がでたのなら、 自分は甘んじてそれを受け入れよう!」 そういって、自ら毒を飲んで死んだ哲学者ソクラテス。 自らの信念を貫き通すため、 命さえ投げ出したソクラテスという存在が、 後世の哲学者たちに与えた影響は計り知れない。 だが、実のところ、 ソクラテスは自分で一冊の本も書いていなかったりする。 したがって、ソクラテスが、 どんな人で、どんな考えを持っていたのか…… 本当のところはよくわかっていない。 だから、ソクラテスについては、 その弟子の著作から、想像するしかないのが現状である。 実は、弟子によっては、ソクラテスを「説教好きの退屈なおじさん」 として書き残している人もいたりと、 弟子それぞれで、ソクラテスの印象がまったく違っている。 だから、ソクラテスが、本当はどういう人で、 どんな思想を持っていたのか、というのは謎だったりする。 では、現在のよ