2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞し、デビュー。翌年同作で芥川賞を受賞。2010年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2020年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、2021年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞を受賞、2022年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞。 ——最新作『ナチュラルボーンチキン』のパリピ編集者・平木直理や、前作の『ハジケテマザレ』のヤクモなど、最近の金原さんの作品には、以前と比べ明るい性格の人物が多く登場するようになってきました。心境の変化があったのでしょうか。 金原さん:実際に私の編集担当者に、ホストクラブ通いをしている文芸編集者らしくない人がいて、今回の平木はその担当がモデルなんです。 心境の変化といえば、フランスで過ごした経験が大きいかもしれません(2012年から6年間フラ