横浜に久々に笑顔が戻った。0―0の後半39分に、連敗を2で止める待望の決勝点。決めたのはこれが5試合ぶりの先発復帰となった「10番」FW小野だ。 DF栗原のハーフウエーすぎからの長い右クロス。DF金根煥の影で待ち受けた小野が右足裏でピタリとトラップすると、間髪入れずに右足を振った。「本当は左で打とうと思ったけど右足に来たので。打ちやすい形で打ってたら逆に止められてたと思う。ラッキーでした」。18歳らしく白い歯をこぼして笑った。 首位に立った7月17日の大宮戦で途中交代を命じられ、その後の1カ月は精神面の未熟さなどから紅白戦からも外される荒療治。ただ、対人練習ばかり繰り返す日々に「体のキレは上がってきた」。同時に「笑ってやる、楽しんでやる」、そんなサッカーの原点に立ち返ることもできた。 4日に大先輩の松田直樹さんが亡くなってから、ようやく挙げた1勝だった。思い出されるのは昨季最終節。す