アデン湾でスペイン艦の隊員に尋問される海賊と見られる男ら。北大西洋条約機構(NATO)が今月初め、写真を公表した=ロイター08年にソマリア海賊に乗っ取られた船で人質となり、解放後、インド・ムンバイで家族と抱き合う乗組員=ロイター。この船は日本企業が関係する船だった 海賊事件が相次ぐアフリカ東部ソマリア海域で、日本企業の関係する商船の乗っ取り被害の実態が明らかになった。07年秋から約1年で6件発生。うち1件の当事者が社名や日時、身代金額などを伏せることを条件に、報告書や実際の交渉を基に詳細を語った。 北アフリカの都市、人々が行き交う昼間の雑踏。アタッシェケースを携えた外国人男性が何げない様子で辺りを見回した。別の外国人男性が近づき、すれ違いざまにケースが渡された。中身は米ドルの現金。日本の海運会社が工面した身代金だ。貨物船を海賊に乗っ取られた代償だった。 「そちらの船から救難信号を