〈連載―世界変動〉欧州 国家の意味揺らぐ(1/3ページ)2009年1月8日8時1分印刷ソーシャルブックマーク 政府の退陣を求めるアイスランドの市民ら=昨年12月6日、レイキャビクの国会前広場、大野写す金融危機で揺らぐ欧州諸国と地域 もう一人では生きていけないかもしれない――。そんな気分が欧州で広がる。グローバル化した金融危機に暴露された国家の限界。しかし「独立」や「主権」を振りかざし、ナショナリズムの力を借りる政治は、新しい時代に適応できるのだろうか。 アイスランドの首都レイキャビクの国会前広場。昨年10月から毎週、政権の退陣を求める市民集会が繰り返されている。凍(い)てつくような年末年始にも途切れることなく、防寒具姿の数千人が政府批判のスローガンを訴え続けた。 大みそかには、閣僚が出演するテレビ番組の会場予定だった近くのホテルに、集会参加者が乱入を試み、警官隊と衝突する騒ぎにもなった。