将棋の女流公式戦で18日、「入玉宣言法」で勝負が決する対局があった。入玉宣言法は2013年10月から導入されたルールで、双方の玉が敵陣に入って勝負がつかない状況になった時に、「持将棋」のように双方が同意しなくても、敵陣に入った駒の数などの条件を満たせば一方の「宣言」で勝敗が決まる。日本将棋連盟によると、男女の公式戦で適用されたのは史上初という。
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安倍晋三元首相が倒れた後、警察の車両に連行される山上徹也容疑者=奈良市の近鉄大和西大寺駅周辺で2022年7月8日午前11時45分、久保聡撮影 安倍晋三元首相が銃撃された事件を受け、在日外国人の支援団体は、SNS(ネット交流サービス)上で根拠なく在日外国人の関与を主張する発信が行われていることについて、「差別デマやヘイトスピーチだ」と批判している。 ツイッターには「在日韓国人コリアンが安倍元総理に2発の銃弾」などと根拠の示されていない投稿が拡散されている。事件では元海上自衛官の山上徹也容疑者(41)が殺人未遂容疑で現行犯逮捕されており、在日外国人が逮捕されたとの情報はない。 「人種差別撤廃法」の制定などを求める団体「外国人人権法連絡会」はツイッターで「偏見にもとづき犯人が朝鮮人・中国人であるとの差別デマ/ヘイトスピーチが出回っています。政府に対し、銃撃への非難と同時に直ちにヘイトスピーチを非
米連邦最高裁前で中絶を巡る憲法判断が覆ったことを歓迎する中絶反対派の女性ら=米首都ワシントンで2022年6月24日、西田進一郎撮影 米連邦最高裁は24日、1973年に女性が人工妊娠中絶を選ぶ憲法上の権利を認めた歴史的判例の「ロー対ウェイド判決」を49年ぶりに覆し、州による中絶の禁止や制限を容認する判断を下した。中絶容認派やバイデン政権が判決に強く反発するのは必至で、今年11月の上下両院選や州知事選などの中間選挙でも大きな論点になる。 訴訟では、妊娠15週より後の中絶を原則禁止する南部ミシシッピ州法の合憲性が争点となっていた。最高裁は24日の判決で「中絶は深い道徳上の問題だ。中絶の権利は憲法に明記されておらず、歴史や伝統に根ざしているわけでもない。憲法は州が中絶を規制したり、禁止したりすることを禁じていない」と結論づけた。
欧米ではマスクを外した生活が普通になっているのに対し、日本ではいまだにマスク着用が続いている。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、政府はマスクを外しても構わないという場面を例示したが、マスクを着けている人が多い。なぜ日本人はこれほどマスクを着けたがるのか。そのルーツは何か。マスク史に詳しい住田朋久・慶応大大学院社会学研究科訪問研究員に尋ねた。【聞き手・宇田川恵/オピニオングループ】 元々はファッションアイテムだった ――マスクの起源はどこにあるのですか。 ◆近代のマスクの原形は1836年に英国で登場した。元々、呼吸器を患う人のために開発されたもので、鼻と口を布で覆い、布の中に格子状の金属が入った構造だった。患者が着用すると、温かく湿った空気を吸うことができたようだ。これが日本に輸入され、その後は国内でも製造された。1880年ごろまでには都市部で広がったという記録がある。 ――今のマスク
東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が放送したバラエティー・情報番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、市民団体共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんが制作会社のDHCテレビジョンなどに1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(渡部勇次裁判長)は3日、制作会社に対して550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた1審・東京地裁判決(2021年9月)を支持し、同社側の控訴を棄却した。 判決によると、番組は17年1月に放送され、沖縄県の米軍ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設反対運動の参加者を「テロリスト」などと表現。出演者が、市民団体が反対運動の参加者に日当5万円を支払っているという趣旨の発言をした。今回、高裁は5万円の支給対象が16人にとどまり、反対運動の現状発信を依頼したものだとし「原告が参加者を組織的に雇って反対運動を扇動しているとは認めら
第80期名人戦B級1組順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の最終13回戦が9日、東京と大阪の将棋会館で一斉に行われ、藤井聡太王将(19)が佐々木勇気七段(27)に90手で勝って10勝2敗となり、1位で次期A級へ昇級を決めた。19歳7カ月でのA級昇級決定は、引退した加藤一二三九段(82)の18歳1カ月には及ばないものの、谷川浩司九段(59)の19歳11カ月を抜いて歴代2位。次期A級で挑戦権を獲得し、七番勝負で名人位を奪取すれば、谷川が持つ史上最年少名人の獲得記録(21歳2カ月)を更新することになる。 終局後、藤井は来期A級での抱負を問われ「今期は課題が多かったと思うので、その辺をしっかり振り返って、来期、挑戦争いに絡めるよう頑張りたいと思います」と話した。
中国新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグル族らが「再教育施設」などに多数収容されている問題で、中国共産党幹部の発言記録や、収容施設の内部写真、2万人分以上の収容者リストなど、数万件の内部資料が流出した。「(当局に)挑む者がいればまず射殺せよ」などと指示する2018年当時の幹部の発言や資料からは、イスラム教を信仰するウイグル族らを広く脅威とみなし、習近平総書記(国家主席)の下、徹底して国家の安定維持を図る共産党の姿が浮かぶ。 今回の資料は、過去にも流出資料の検証をしている在米ドイツ人研究者、エイドリアン・ゼンツ博士が入手した。毎日新聞を含む世界の14のメディアがゼンツ氏から「新疆公安ファイル」として事前に入手し、内容を検証。取材も合わせ、同時公開することになった。
「あなたは『特権』を持っています」といきなり突きつけられるのは、マジョリティーの側だって苦しい。「特権」を自覚した上で、より公正な社会へと変えていくために、必要な学びとは何なのか。連載2回目に続き、上智大教授(社会心理学)の出口真紀子さんに、「特権を自覚する」をテーマにした講義について聞いた。受講した大学生たちに、いったいどんな変化が見られたのだろうか?【オピニオングループ/小国綾子】 社会階級による特権 ――出口さんが上智大学で行っている「特権を自覚する」がテーマの講義について、続きを教えてください。最初の講義では米国の「白人特権」を取り上げるのですよね。 ◆「白人特権」から入る理由は、自分自身の「特権」についていきなり突きつけられるのは、心理的にきついからです。なので、ワンクッション入れて、自分の属性とは少し距離のあるものから始めると、「特権」がどういうものなのかの理解を得ることができ
「マイクロアグレッション」という新しい概念が注目されている。人種やジェンダー、性的指向などに関するマイノリティーに向けられる、一見あからさまな差別ではないように見えて、相手の尊厳を傷つけるような攻撃性が含まれている言動のことだ。マジョリティー側がこれに気づき、より公平な社会を作るためにはどうすれば良いのだろう。「立場の心理学」などの講義で人気の上智大教授(文化心理学)、出口真紀子さんと、「マジョリティーの特権」をキーワードに3回連載で考えてみたい。1回目は、マイクロアグレッションとは何か?【小国綾子/オピニオングループ】
ロシアによるウクライナ侵攻が始まるやいなや、安倍晋三元首相が米国の核兵器を日本国内に配備して共同運用する「核共有」について議論を行うべきだと発言、日本維新の会が議論を政府に提言するなど一部の政治家が声を上げ始めた。これまでは声高に語られることはなかったが、夏の参院選に向けて、さらに主張が活発化する可能性もある。非核三原則を掲げる日本にメリットはあるのか。長崎大核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授に聞いた。【聞き手・森口沙織】 核共有、新しい話ではない ――「核共有」とは、どのような政策ですか。 今回初めて核共有という言葉を聞いた人もいるかもしれないが新しい話ではなく「冷戦の遺物」といっていい。NATO(北大西洋条約機構)加盟国のオランダ、ベルギー、ドイツ、トルコ、イタリアの5カ国に核兵器が配備され、平時はアメリカが管理し、戦争になるとアメリカの同意を得て配備国が自分たちの戦闘機に核弾頭を
ウクライナ政府は24日、ツイッターに投稿した動画の中で、昭和天皇の顔写真を掲載したことに日本国内のネットユーザーなどから批判が高まった事態を受け、動画から昭和天皇の顔写真を削除し、謝罪した。当初の動画には、ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を行ったナチス・ドイツの独裁者ヒトラーやイタリアのファシズム指導者ムソリーニと共に、昭和天皇の顔写真を並べていた。 動画は「現代ロシアのイデオロギー」と記した英語の字幕から始まる1分21秒の映像で、プーチン露大統領の演説などが映し出され、ロシアの「差別主義」を非難している。問題の場面は1分11~14秒付近で「ファシズムとナチズムは1945年に敗北した」と記し、昭和天皇ら3人の顔写真を並べていた。
※記事中に残酷な描写があります。閲覧ご注意ください。 【マリウポリ(ウクライナ南東部)AP】砲撃が絶え間なく続く中、マリウポリの凍土に急いで掘られた狭いざんごうに、投げ込まれた子どもたちの遺体が横たわっていた。 生後18カ月のキリル君は、よちよち歩きの小さな体の頭部に砲弾の破片による致命傷を負っていた。16歳のイリヤ君の足は、学校の運動場でのサッカー中に爆発で吹き飛ばされた。6歳以下にしか見えない女の子は、一角獣の絵柄のパジャマを着ていた。ロシアの砲弾で死んだマリウポリの最初の子どもたちだ。 子どもらの遺体は他の何十体とともに市外縁部にあるこの集団墓地に積み上げられていた。道ばたの男性の遺体には明るい青の防水シートがかけられ、石の押さえが置かれていた。赤と金のシーツでくるまれた女性の両くるぶしは、白い端切れできちんと結ばれていた。作業員は次々と可能な限り素早く遺体を墓穴に投げ込んでいった。
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