「だから、ぜんぶをぴしっと切っちゃうんじゃなくて、一部だけちょっと、ほんの少しだけ切るのが大事なんだって。君ちゃんと見た? 学校のだってぜんぶさきっちょしか切ってなかったでしょ? あれぜんぶ完璧におなじ長さなんだよ。大きくじゃきじゃき派手に切ったりして、それが使えなくなったりしたらそれはもうだめなの。その機能じたいに迷惑かけることが目的じゃないの」(『ヘヴン』32頁) ヘヴン 作者: 川上未映子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/09/02メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 271回この商品を含むブログ (237件) を見る川上未映子の『ヘヴン』読みました。初出の「群像」(2009年8月号)が売り切れのため――もちろん『ヘヴン』効果――手に入らなくて不貞腐れていたのですが、単行本化のすえようやく手に入れたのでした。一読してとてもウェルメイドな作品だと思いました。というわ