続・東京のバリアフリーは間違いだらけ 力学を習得しない文系人間に身障者福祉は任せられない 山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員 日本の街、中でも東京がいかに身障者・高齢者にとって外出しにくいかを、前稿では主に交通機関に関して例示した。本稿では道路の問題、とりわけ歩道を取り上げる。 日本の歩道でバリアフリーというと、大抵の人が歩道と車道をつなぐスロープと点字ブロックを敷き詰めている設計を想定するだろう。しかし、それは20世紀の、しかも日本だけの旧規格であって、今では逆に「身障者が使えない」歩道となるのだ。 点字ブロック:多くの身障者・高齢者をブロックする 点字ブロックが普及し始めた40年前は、身障者とは主に「目や耳が不自由だけれど自力移動できる」人だった。しかし、今はより多くの身障者や高齢者が外出する時代だ。となれば、色々なタイプの身障者の最大公約数で対策を立