「ブロガー」という響きは、蠱惑的だった。 2016年、世は空前のブログブーム。その年に大学を卒業した僕は、「ブロガーとして食っていくぜ!」とワケの分からない抱負を掲げて、無職になった。 「個で生きていけるだけのインフラが整った時代に、わざわざ就職するなんてバカらしくない?」とイキり散らかして、肥大しきった自意識に振り回される。 肥大していたのは自意識だけで、売上は痩せ細っていた。初月の売上は4万円ぐらいだったように思う。限りなく無職である。自称フリーランスの半分は、「個人事業主開業届を出しただけの無職」と言い換えても構わない。 売上は4万円しかないくせに、月額3980円のブロガー向けオンラインサロンに入った。「ブログカレッジ」という、権威付けのために「大学」を関する類のオンラインサロンだ。今の僕が最も毛嫌いする類の集団に、あの頃の僕は当事者として参加していた。 ある意味では、被害者と言える
![ブロガー界隈の緩慢な地獄記①-トチ狂ってフリーランスになった人たち|堀元 見](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/cfb87f8b773eb393426a5e5b1798bedce8a9698c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F112785093%2Frectangle_large_type_2_d3589697f26ce2824982e8a41a6f2a0d.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)