息子を転落事故で亡くした飯窪慎三さんは、事故原因となった作業台を特注し、集会でその上に立って労働環境の窮状を訴えた(4月22日、都内で) 厚生労働省の調査によると、昨年1年間に労災で死傷した派遣労働者の数は5631人。2年連続で5000人を超え、製造業の派遣が解禁された2004年と比べて8倍以上に増えている。“労災隠し”の証言もあり、問題の根は深い。対策はあるのか。(社会保障部 大津和夫、野口博文、社会部 本田克樹) 「正社員じゃないからという理由で安全をおろそかにしないで……」 日本弁護士連合会が4月22日、都内で開いた労災をめぐる集会。息子を転落事故で亡くした父親の飯窪慎三さん(59)(山梨県南アルプス市)が、こう訴えた。 長男の修平さん(当時22歳)は2003年8月、製缶工場で、ベルトコンベヤーを流れる缶のフタの検査中、立っていた作業台から転落して頭を強打。意識不明のまま、約3か月後