著作権の枠組に、そして出版の生態系に、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は一体どんなインパクトを与えるのでしょうか。関税撤廃にとどまらない影響力を持つであろうTPPをめぐる状況について、著作権の専門家である福井健策弁護士が4回にわたって徹底解説します! ※2014年7月2日に第18回国際電子出版EXPOの株式会社ボイジャーブースで行われた福井健策氏の講演『誰のための著作権か』を採録したものです。元の映像はこちら。 ※この記事は、こちらで縦書きでも読むことができます(全文を先行公開中)。 福井健策:誰のための著作権か? というよりも誰のための憲法か? と話したくなる、そんなタイミングでもありますけれども、著作権のお話からしていきたいと思います。 これまでの復習 TPP、環太平洋経済連携協定です。関税などに主に注目が集まりますけれど、実際には著作権などの知的財産が最大の難航分野の一つである、