本州の人々に対して、北海道民は、さも豊かでゆとりがあるふりをしなければならない立場にある。もちろん、北海道が経済的に豊かではないことはさすがに隠しようがない。しかしそれなら、大自然の恵みが素晴らしく、都会の人々には得がたい人間的な世界が北の大地には広がっているとアピールしなければならない。「試される大地」の呪縛だ。 確かに「北海道は食べ物が美味しい」というのはまったくのデマだとは言い切れない 観光客が美味しいものを食べている可能性は高いからだ。ただ六花亭の菓子が、基本的には「お土産」だという程度の見識はすべての人がもっていると期待したい。もってまわった言い方は申し訳なく思うが、たとえば仮に毛蟹を名産物としている土地があったとして、その毛蟹が、まずどこに行くかということは、経済学の基本中の基本なのではないかと思うのだ。食料基地の住民にまわる食材は、一番後回しになる。 食材は、大きなマーケット