ALPS処理水の海洋放出って、本当に大丈夫? 東京電力ホールディングス(以下、東京電力)福島第一原子力発電所で発生したALPS(アルプス)処理水について、政府は2021年4月に海洋放出(図-1)による処分方針を決定しました。方針決定から2年程度後の放出開始に向け、東京電力が準備を進めています。政府は風評影響を最大限抑制するとともに、産業復興などに取り組むとしています。今回は、ALPS処理水とそれに含まれる「トリチウム」について、皆さまの疑問にお答えします。 トリチウムは、私たちの体に影響があるの?ないの? Q1トリチウムって何? A1水素の仲間で放射線を出します 自然界でも発生し、私たちの身近にも存在します トリチウムは水素の一種です。普通の水素に比べて原子核を構成する中性子の数が多く、「三重水素」とも呼ばれています。原子核が不安定なため、安定した物質(ヘリウム)に変化しようとする際に放射