「ダークエネルギーとは?」、最新の科学が疑問に答える 暗黒宇宙の謎 宇宙をあやつる暗黒の正体とは、谷口義明著、987円 この宇宙はどうなっているのだろう? この素朴な疑問を追究していくなかで、最近分かってきた科学的推論をまとめた一書を今回は取り上げる。 つい100年前まで、宇宙は太古の昔から存在し、ほとんど変化しないと考えられていた。かのアインシュタインも一般相対性理論を用いて宇宙を理解しようとしたとき、前提として膨張も収縮もしない、静かな宇宙を思い描いていたという。 ところが、1917年にアインシュタイン方程式(一般相対性理論から導かれる宇宙を記述する方程式)の論文が発表された後、それまでの常識を覆す発見があった。 1929年、宇宙が膨張していることをハッブルが発見したのである。 膨張しているということは、昔の宇宙は小さな存在だったということになる。宇宙の原初の姿を仮定してみると、ある日