[サムライサッカーキング1月号掲載] 近年の日本を代表するGKを思い浮かべてみると、川口能活、楢﨑正剛、川島永嗣の名前が挙がるだろう。川口と楢﨑。楢﨑と川島。川口と川島。それぞれに、それぞれのストーリーがあるが、2010年南アフリカ・ワールドカップを機に日本代表の新しい正GKの座を得た川島と、奇しくも奪われる格好となった楢﨑には、彼らにしか分かり得ない数奇な巡り合わせがあった。 タイプの違う2人のGK GKとは、非常に特殊なポジションである。理由は、至極シンプル。先発として選ばれる選手が、たった一人しかいないからだ。 何をいまさら、ということではあるだろう。ただ、我々見ている側の人間はこうした事実を頭では理解できているが、当事者である選手たちはまさにこの“ONLY ONE”の座を巡り、様々な感情を抱きながら日々精進し、競い合っている。間違いなく、彼らの肌感覚でしか分かり得ない何かが、そこに