会議では、議論の落しどころとして、意見が対立する人々の妥結点を見出すことが重要になります。でも、 どうせならできるだけ有利な状態に持っていきたいですよね。 このとき役に立つのが交渉学のBATNA(バトナ)という考え方です。 BATNAとは、Best Alternative to a Negotiated Agreementの略で、 最初に提示した条件で交渉が決裂した時に採用する最も良い代替案という意味です。一言で表現するなら「次善の策」でしょうか。 交渉学では、相手のBATNAを知って対策を立てることで、BATNAを使えない、もしくは使っても意味が無い状況に持っていき、 自分を有利な立場に置くことを考えますが、 ファシリテーターにとっては意見が対立する人々の間を取り持って議論をまとめるためにBATNAを使います。 例えば、次のようなシチュエーションを考えてみましょう。 『営業部門のA課長は