(1)ルール不在 病院揺らぐ 「治療続行、患者に苦痛」 「呼吸器外し、犯罪行為」 人工呼吸器の取り外しなど、終末期を迎えた患者の生命を左右する措置は、どこまで許されるのか。医療機関に対する読売新聞の調査で、延命措置の中止や差し控えが広範に行われている実態が浮かび上がった。もの言わぬ患者は、どのような最期を望んでいるのか。措置について決断を迫られる家族、医師らの苦悩は深い。 長期入院の療養患者を診る院長。「一人一人の最期をいかに尊厳あるものとできるか、悩みは尽きない」と話す(北陸地方の病院で) 「お母さんの心臓ペースメーカーは、間もなく電池が切れます。どうされますか」 2004年暮れ、北陸地方の病院。母(当時95歳)の治療について、三男(62)は、院長から判断を求められた。 入院して2年余。持病の不整脈で、ペースメーカーを植えていた母は、脳梗塞(こうそく)による認知症も進み、長年同居してい