最近「メタボリック・シンドローム」が話題になっている。 高血圧、高血糖などの異常(危険因子)がいくつか集まると、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞が起きやすい、という考え方から出てきた病気だ。腹部にたまる内臓脂肪が、これらの異常を引き起こすとの理由から、「内臓脂肪症候群」とも呼ばれる。 この症候群は、ウエストサイズ(腹囲)が男性で85センチ以上、女性は90センチ以上の場合が診断基準の一つになっている。 この数値に、ドキッとした中高年の男性は少なくないかもしれない。厚生労働省も、40〜74歳の人のうち940万人が該当し、予備軍を含めると中高年男性の半数が“危険水域”だとしている。 腹囲の基準値は、画像診断による内臓脂肪の面積と、高血圧、高脂血症など危険因子の関係を調べた国内の調査を基に決められた。 この調査について、東海大教授(医学教育情報学)の大櫛(おおぐし)陽一さんは、〈1〉調査対象が数百人で