むかし漠然と考えていたのは、耽美というかやおいというかBL、の読者が、いずれ女の子どうしものに関心を持つということもあるんじゃないかな、ということでした(ただし、「百合」とはちょっと違う雰囲気のものを想定していた)。男同士の関係性が当たり前になっちゃったら、つぎは男ではない性に関心が向く、ということは素朴にありそうだし、また、やおいを求める一部の人の心理の根っこに、女の子の内なる女性嫌悪がある、というのが本当なら、多少なりともその女性嫌悪が緩和された時、女の子どうしのフィクションを通じて、あらためて自分自身の性を見つめようとすること、もありそうに思ったのです。 そして何より、男である僕の目には、やおいに関わる女の子たちの仲のよさが尋常ではないものに見えたのでした。「友情というより愛だろ」というのは、彼女たちの関係のほうがよっぽど似つかわしい……などとは、当時言いませんでしたが、ちょっと思っ