「ふつう労働の賃金がどのようなものであるかは、どこでも、利害関心がけっして同じでないこれら両当事者のあいだで通常結ばれる契約による。職人はできるかぎり多く手にいれることを、親方はできるかぎり少なく与えることを望む。・・・ しかし通常のすべてのばあいに、・・・このような紛争のすべてにおいて、親方たちははるかに長くもちこたえることができる。雇用されずに一週間生きていける職人は多くない・・・。 親方たちは、いつどこでも、一種の暗黙の、しかし恒常的かつ一様の団結を結んで、労働の賃金を実際の率以上に上昇させまいとしている。・・・たしかに、われわれはこのような団結をめったに耳にしないが、それというのも、だれもが耳にしないほどそれが通常の、ものごとの自然の状態といっていいものだからである。」アダム・スミス(『国富論』、第1編第8章「労働の賃金について」より)。 経済学、とくにマイクロ経済理論はしばし