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バーレーンが燃えています。 サウジアラビア国家警備隊とアラブ首長国連合の軍隊から構成される「GCC軍」が治安維持の名目でバーレーンに進軍したとき、「これは資産保全が目的であって、デモ隊に危害を加える意図は無い」と声明を出しましたが、1日後の今日には早くもデモ隊がピケを張っているパール広場の掃討作戦が始まりました。 GCC軍はスンニ派であり、パール広場を陣取っているデモ隊はイラン人とルーツを同じくするシーア派です。 バーレーンは米国の第5艦隊の母港ですからこのバトルは喩えて言うなら第7艦隊の横須賀基地のすぐ外で黒煙が上がっているのと同じ構図なのです。 本音で言えばサウジアラビアやアラブ首長国連合は「使えない米国とは縁を切って、今既に商売上ずっと重要な存在となっている中国と組みたい」と考えています。なぜなら中国ならデモクラシー云々といううるさい話を持ち出したりしないからです。 アメリカ国務省の
リビアで内戦が勃発した際、サウジアラビアが「我々が増産するから、心配するな」という声明を出しました。 ジム・ロジャーズやマーク・ファーバーらはすぐに「増産するわけないし、増産できない」とこのサウジアラビアのリップサービスを一笑に付しました。 僕も彼らの意見に賛成です。 石油のビジネスで最も難しいのは如何に油田を傷めずに最も効率よく、長期的に見て最も安上がりに原油を汲み上げるか?という事です。 これはちょうど氷が沢山入ったグラスのジュースを音を立てずに最後までストローで吸い上げるのと似ています。 油田は発見されて間もない間は地下に閉じ込められた原油がたっぷりあるし、圧力が高いので油井を挿しこむだけで「ぷしゅっ」と原油が噴き上がります。 しかし暫く生産を続けると油田自体の圧力は下がって来るのです。 普通、原油を採取して出来た隙間には地下水が流れ込むことでそれを埋め、言わば「1階部分が水、2階部
噂されていた通りサウジアラビア国家警備隊がバーレーンに進軍し、戦略的に重要な施設を固めました。 名目上はGCC(湾岸協力会議)の要請を受け、「GCC軍」として治安維持のためバーレーンに進駐したことになっています。 しかし現実的にはもっと微妙なニュアンスがあることはアラブ世界に詳しい人なら誰でもわきまえています。 先ずバーレーンという国はシーア派が国民の7割を占める多数派です。ところが支配者一族はスンニ派であり、国民からは浮いた存在になっています。 それでも支配者一族が君臨していられるひとつの理由は支配者一族が近隣のサウジアラビア(同じくスンニ派です)からの後ろ盾を得ているからです。 その意味ではGCC(湾岸協力会議)自体もアラビア湾に面する各国の為政者の支配を強固なものにし、現状維持を強く働きかける反動的な存在です。もちろん各国のスンニ派のリーダーたちの利害が強く反映された存在となっている
アルジャジーラやアラブタイムズによるとクウェートでも政治改革を要求する若者のグループがソーシャル・メディアを通じてデモ行進を呼び掛ける動きがあるそうです。 活動家グループ、「フィフス・フェンス」はシーク・ナセル・モハメド・アル・アハマド・アルサバハ首相の退陣を要求しています。アルサバハ家の一族以外から首相を選ぶべきだというのが彼らの主張です。 また別のグループ、「カフィ(もうたくさん!の意味)」は無期限の座り込みを呼び掛けています。 クウェートの反政府デモは今回の中東・北アフリカ各地でのデモでは初めて米国の横暴を非難しています。 内閣の16名のメンバーのうち15名は選挙によらずに大臣に任命された人たちであり、そのうち6名はアルサバハ一族の身内です。 クウェートに住む356万人の人々のうちクウェート国籍保有者は113万人で、残りは外国人労働者やベドウィン(遊牧民→約12万人程度)です。 デモ
英国のテレグラフ紙の伝えるところではサウジのアブドラ国王は今週計画されているサウジアラビア東部での大規模デモ行進に備えるため1万人規模の警備隊を招集しているそうです。 またアブドラ国王はバーレーン政府に対して「若しバーレーン政府が自力でデモ隊を解散させることができないのならば、サウジアラビアの警備隊を派遣する」と叱咤したそうです。 一方、反政府デモの指導者たちはデモ行進の先頭に女性を配置することで警備隊の攻撃をにぶらせるという戦法を検討していると言われています。 なお英国BBC放送は「サウジアラビアの国営TVが全てのデモ行進を禁止する」と発表したと報じています。 これを読んだ僕の感想ですが、われわれ日本人の考えからするとデモ行進の先頭に女性を配置することで攻撃の盾とするという発想はとんでもない女性蔑視のような印象を与えがちですが、サウジアラビアでは公の場では男性と女性は行動を共にしないこと
原油価格が高騰しています。 そこで増産云々が議論されています。 でもオイルサンドのあるカナダを除けば今の世界の産油国で大きな増産余力を持っているのはサウジアラビアだけです。 そのサウジアラビアにしても増産をするインセンティブはゼロに近いです。 増産するくらいなら、単なるトークアップ(口先介入)だけにとどめる方が遥かに良いと彼らは考えるはずです。 なぜか? まず現場の声という問題があります。 油田からの生産は長期的な視点から最も効率よい方法ならびに汲み出しのペースをいろいろシュミレーションして、最適な方法で粛々と行われます。 だから市況やオーナーの気分ひとつで生産計画が変わったりはしないのです。 途中での生産計画の変更は油田に甚大なダメージを与えるリスクをもたらします。 これは喩えて言えば50階建てのビルを20階まで建てた途中で、70階建てのビルに設計変更するような行為であり、エンジニアはす
エジプトでムバラク大統領が追い出された時、「不確実性が払しょくされた」とこれを歓迎する投資家が多かったです。 でも僕はなまじエジプトの人々がムバラクの追放に成功してしまったことで「パンドラの箱」が開いたと思いました。 つまり地政学リスクは低下したのではなく、逆に長期化が決定的になったということです。 それでは今回の一連の中東の騒乱ですが、現在の我々の立ち位置はどのへんなのでしょうか? 僕はこれを山登りに喩えるならば、まだ2合目くらいだと思っています。 ■ ■ ■ まずエジプトですがムバラクの追放に成功したことで投資家は楽観的です。また軍隊がしっかり9月の選挙までのつなぎの役目を果たしているので事態が悪化することはないと考えている投資家が大半です。 これについては僕の心境は複雑です。 エジプト国民が限定的な犠牲を支払っただけでムバラクを追い出したことには感心するし称賛したいと思うけれど、僕に
サウジでは「石を投げればプリンス(皇子)に当たる」というくらい、皇子の数は沢山居ます。 だからただ王家の血筋に生まれたからといって全員が自動的に超富豪になれるわけではありません。 アルワリード皇子はもともと土建屋とかビザのエージェントの会社の経営から一代で巨万の富を築いた立志伝中の人です。 そのアルワリード皇子がニューヨーク・タイムズの投書欄に「アラブ諸国の政治改革は待ったなしだ」という主題の投書をしています。 以下はごく一部の抄訳: アラブの人口の過半数は25歳以下の若年層だ。そして若者の失業率が軽く20%を超えている国が多い。失業率は女性に至ってはもっと高い。アラブの女性は経済的にも苦しい立場に立たされているし、社会的にも虐げられている。アラブの中流の人たちの暮らしは最近のインフレで苦しくなっている。生活水準の向上の夢は遠ざかっている。さらに裕福層とそれ以外の格差は拡大している。 この
リビアからの石油の供給が怪しくなっているので、サウジアラビアが増産し、世界の原油の需給バランスを取るだろうという議論があります。 これは昔は正しかったです。 でも今となっては、それもどうだかわかりません。 僕がそう考える理由を述べます。 まずサウジアラビアがスウィング・プロデューサーとなって世界の原油市況を安定させて欲しいというのは長年に渡ってのアメリカの強い希望でした。 なおスウィング・プロデューサーというのは原油が余っているときは生産を絞り込み、逆に市況がタイトになっているときは増産して相場を冷やす役目を果たす生産者のことを指します。 僕が今回、サウジは必ずしもアメリカの希望通り動くとは限らないと考える第一の理由はエジプト革命でムバラクが失脚した際に、アブドラ国王とアメリカ政府の間に大きな意見の対立があり、「梯子を外した」アメリカに対してアブドラ国王が激怒したという経緯があるからです。
リビアはエジプトとは違います。 エジプトの場合、ムバラクさえ大統領の座から引き摺り下ろせば人々の暮らしは平常に戻りました。 これはどうしてかというとエジプト軍という存在があったからです。 エジプト軍は国民から信頼されており、民主主義へ移行する際の過渡期の時期をしっかり「留守番する」にふさわしい存在です。 これに対してリビアは仮にカダフィが明日居なくなったとしても、混乱は収まりません。 それどころかカオスは一層激しくなる可能性が強いです。 エジプトは革命の過程を通じて国民の心がひとつにまとまっていました。 しかしリビアは既にガタガタに崩れてしまっています。 例えば油田地帯のある東部リビアは既に首都のある西リビアから離反しています。 つまり西のカダフィ政権が生き残ったら、油田を巡って東西リビアが戦争することも考えられるのです。 また多くの部族はカダフィの反対派に回ると宣言しています。 軍そのも
産油量971万バレル/日(=世界の12%)を誇るサウジアラビアは正式名をサウジアラビア王国(the Kingdom of Saudi Arabia)といいます。 実は王国(Kingdom)というのは回教の概念ではありません。 しかし同国がそれでも正式名称を王国としたのは究極的な権威はアラーの神に属するということを王国という表現を用いることで表す意図があるからに他なりません。 サウジの国王はアラーの神の代理人であり、それが国王の威信の裏付けというわけです。 その政治形態は絶対君主制に分類できます。 こんにちでは絶対君主制を維持している国は限られており、最近まで絶対君主制を敷いていたブータンやネパール、リヒテンシュタインなどは絶対君主制を廃止しています。 現在、絶対君主制が残っている国はバチカンの他、バーレーン、ブルネイ、オマーン、カタール、スワジランドなどわずか数カ国に過ぎません。 サウジの
このところの中東情勢に関してチョッと整理します。 【アラブ世界全体を巻き込んだ動きに】 チュニジアで起こった反政府デモはアッと言う間に中東の多くの国に広がりました。 とりわけエジプトでムバラク政権が転覆されたことは中東の多くの人に「うちの国でも、できるかもしれない」という大きな希望を与えました。 こうして今回の反政府デモはPan-Arab(=汎アラブ)的、つまりアラブ世界全体に広がる様相を呈しています。 【今回が初めてではない】 さて、汎アラブ的な機運の盛り上がりは今回が初めてではありません。 実際には今回を含めて4回、アラブ世界全体を巻き込んだ運動が起こっています。 1.「アラビアのローレンス」の時代に起こった民族独立の動き 2.ナセル大統領が提唱した汎アラブ主義 3.イランにおけるイスラム革命 4.今回の各地における反政府デモ ここで大事なことは上記の4つのアラブ世界全体を巻き込んだ運
バーレーンはアラビア湾のちょうど真ん中あたりに位置する島国です。 大きさとしては淡路島を一回り大きくしたようなサイズで人口は123万人しか居ません。 (出典:ウィキペディア) 同国ではサウジアラビアよりも前に石油が発見されました。しかし同国の油田は小さかったので現在はほぼ枯渇しています。 バーレーンは昔イランの一部だった関係で住民の多くはシーア派です。しかし同国はスンニ派のアル・カリファ一族によって支配されています。 アル・カリファ一族はサウジアラビアのサウド家と近い関係があります。 サウジアラビアからバーレーンが陸続きでつながっていることから週末などにはサウジからバーレーンにホリデーを楽しむ観光客が来ます。 イスラムの戒律が極めて厳しいサウジアラビアに比べてバーレーンではホテルなどでアルコールを飲むことは許されています。 このキング・ファハド・コーズウェイを渡ってサウジアラビアに入ると世
3年前にピーク・オイルという概念が市場参加者の間で話題になりました。 ピーク・オイルとは世界の原油生産がピークを打つ点のことを指します。 油田は発見され、生産が開始された後はある時点まではどんどん増産できるけど、ある時点を過ぎると原油を汲み出すのがだんだん困難になり、場合によっては急速に生産量が落ち込む事もあります。このことを理論化した人が米国の地質学者、マリオン・キング・ハバートで、この生産プロフィールのことを「ハバート曲線」と呼びます。 (出典:ウィキペディア) サダド・アル・フセイニ氏は現在のサウジ・アラムコの公称確認埋蔵量(7160億バレル)は4割程度も過大報告されており、実際の可採埋蔵量はそれより小さいと主張しています。またピーク・オイルに到達するタイミングは早ければ2012年になる可能性があるとしています。
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