原発事故による損害賠償の仕組みを定めた原子力損害賠償法改正案の国会審議が急ピッチで進んでおり、来週中にも成立する。東京電力福島第一原発事故では被災者への賠償額が既に8兆円を超えているが、改正案は、電力会社に備えさせる賠償額の上限を現行の1200億円に据え置いた。市民団体は「福島の被害実態を踏まえていない」と抜本的な見直しを求めている。(宮尾幹成) 政府の改正案は11月22日に衆院本会議で与党と国民民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決。審議時間は6時間15分だった。参院では11月29日に審議が始まり、早ければ12月5日にも成立する見通し。野党側は「早期見直し」を付帯決議で求める方向で検討している。 現行制度では、原発ごとに1200億円を上限に電力会社に備えさせている。だが福島事故では、東電が支払う被災者への賠償金が既に8兆円以上。事前の備えを超えた分は、原発や関連施設を持つ電力会社11社
東京電力福島第1原発事故で京都府内に避難した住民らの控訴審を前に横断幕を手に大阪高裁に向かう原告団(大阪市北区・大阪高裁前) 東京電力福島第1原発事故で福島県や茨城県から京都府内に避難した住民らが国と東京電力に損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が14日、大阪高裁(石井寛明裁判長)で開かれた。原告共同代表の福島敦子さん(46)が「私たちは自主的に避難したのではなく、逃げざるを得なかった。国と東電は事故そのものの責任を認め、全ての国民の命を守ってください」と意見陳述した。 福島県南相馬市から木津川市に避難する福島さんは、避難は多くの葛藤の中で「苦渋の決断」だったとし、「原発事故は収束していない。原告一人一人の命と向き合って判断してほしい」と訴えた。国は「津波想定は客観的、合理的なもので否定される余地はない」と述べた。 避難者らが全国各地で起こした集団訴訟の中で、京都訴訟の原告は、国の避
提訴に踏み切る意義について説明する弁護団事務局長の浜野泰嘉弁護士(右から2人目)ら=福島県郡山市日和田町高倉の「県農業総合センター」で2018年11月18日、宮崎稔樹撮影 ADR打ち切り受け全国初 原告は最大で2000人の見通し 東京電力福島第1原発事故の慰謝料増額を求め、福島県浪江町民約1万5000人が申し立てた国の裁判外紛争解決手続き(原発ADR)が打ち切られた問題で、町民を支援する弁護団は18日、東電と国を相手取り、27日に福島地裁に提訴すると明らかにした。ADRで示された和解案を尊重するとしていた東電が、和解を拒否し続けた「期待権侵害」に対する慰謝料を新たに盛り込むとしている。 この日、福島県郡山市で記者会見した弁護団によると、原発事故のADR打ち切りを受け集団訴訟を起こすのは全国で初めて。原告数は27日の第1次提訴で100人程度を見込んでおり、順次追加で提訴。最大で約2000人に
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