生まれてからの二十数年間を僕は北海道で暮らした。 住んでいる時には当たりまえだと感じていた文化や風習も、ふるさとを離れてみると、それがちっとも普通ではないと気づくことがある。 特に食文化にその傾向が顕著で、地域の常識がよそでは通じないということがままある。 先日北海道に帰省した際、東京に住みはじめてから気付いた「あれって変な食べ物だったのかも」というのを久しぶりに食べてきたのでご紹介しよう。 (工藤 考浩) 北海道のカレーは変なのか? 最近ではすっかりスタンダードな食べ物になった「スープカレー」。僕はこれが札幌発祥だと聞いてものすごくおどろいた。 札幌に住んでいた時には、二日酔いの日など日常的にごくふつうに食べていたので、ちっとも特別なカレーだとは思っていなかった。 確かに、ごはんにかけて食べるカレーとは違うけれど、それは本格的なカレーだからサラサラしたああいう出で立ちなんだと理解していた