「ここを取材したい。いいかな?」 「取材? いいよ、時間ならいくらでもあるから」 (前編はコチラから) 偶然入った中目黒にあるカセットテープ屋「Waltz」。平日ということもあってか、店内に他の客は誰もいなかった。 僕はいつもの取材のようにiPhoneを取り出し、音声メモの録音ボタンを押した。 「この店はいつからあるの?」 「オープンしてまだ半年ぐらいかな」 「その前って、何をしていたの?」 「Amazonという会社にいた。14年間働いたあと退職して、去年この店をつくった」 彼の名前は角田太郎。世界最大級のECサイト「Amazon」に14年勤務していた元ビジネスマンで、現在は中目黒で「waltz」のオーナーをしている。 彼がAmazonに入社したのは、日本に上陸したばかりの2001年。当時、日本でのAmazonの認知度はかなり低く、知っている人ですら「わけのわからないものがアメリカから参入