アリババの「ニュー・リテール」 先週、北京に行ってきた。今年3度目の訪中である。今回は、その報告第1弾をお届けする。テーマは、アリババの馬雲(ジャック・マー)会長が最近唱えている「新零售」(シンリンショウ)。日本語に直すと、「新小売り」もしくは「ニュー・リテール」である。 いまから8年前、中国で馬雲会長に話を聞いた時、ビジネスの要諦について、こう述べた。 「ビジネスなんて、実は簡単なことさ。客が望んでいることを、かなえてあげればいいんだよ。ただそれだけだ」 この言葉を自ら体現するように、アリババが「新零售」を唱えて、中国国内で「スーパーマーケット革命」を起こしている。2016年1月に上海で1号店がオープンし、現在、中国13都市67店舗にまで広がった「盒馬鮮生」(フーマーシエンシェン=フレッシュ・フーマー)である。いまや日本の官僚や経営者たちが、「中国で最も視察したがるスポット」と言われる。