今から20年以上前、僕は格闘技を始めた。地元であるオランダの道場に入門し、和道流空手とヨーロピアン柔術を学び始めたのだ。それからほどなくして、PS2で『バーチャファイター4』と出会った。 当時の僕はまだオレンジ帯かそこらの素人武道家だったが、すでに「バーチャファイター」シリーズの独特な地味さからにじみ出る圧倒的な「武道臭(間違っても葡萄酒ではない)」に気が付いていたと思う。 一見すれば派手さに欠け、動きも他の格闘ゲームほど滑らかなものではないので、当時の僕の友達のほとんどは「鉄拳」や「スマブラ」の方が面白そうだった。少なくとも、僕の周りでは日本にあったような「バーチャブーム」は皆無だった。 『バーチャファイター4』(2001年)の結城晶。 だが、僕からすれば『バーチャファイター4』の動きが他のゲームほどスムーズなものではないのは、むしろ「自分が人間を操作している」ことを認識させてくれた。僕