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控訴審判決で弁護団とともに大阪地裁に向かうウィニー開発者の金子勇被告(中)=8日午前9時45分、大阪市北区の大阪地方裁判所(甘利慈撮影) ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発・公開してゲームソフトなどの違法コピーを助けたとして、著作権法違反幇助(ほうじょ)罪に問われた元東大大学院助手、金子勇被告(39)の控訴審判決公判が8日、大阪高裁で開かれた。小倉正三裁判長は、罰金150万円(求刑懲役1年)とした1審京都地裁判決を破棄、金子被告に無罪を言い渡した。 ウィニーをはじめとするファイル共有ソフトを用いた著作権侵害は増え続けており、開発者の刑事責任を認めるかどうかが注目されていた。1、2審を通じた争点は、ウィニーの開発が著作権侵害目的だったかどうか、面識のない利用者の違法行為に対するソフト開発者の幇助罪が成立するかどうかの2点だった。
控訴審判決で弁護団とともに大阪地裁に向かうウィニー開発者の金子勇被告(中)=8日午前9時45分、大阪市北区の大阪地方裁判所(甘利慈撮影) 「あいまいな基準で著作権法違反幇助(ほうじょ)の成立を認めれば、技術者が開発自体をできなくなる」。ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を開発・公開した元東大大学院助手、金子勇被告(39)は一貫してこう主張してきた。ソフトウェア業界も論争に巻き込んだ事件に、2審の大阪高裁が示した判断は無罪。金子被告や弁護団からは笑顔がこぼれた。 黒のスーツ姿の金子被告は証言台で両手を後ろに組んで裁判長の言い渡しを待った。「原判決を破棄する。被告人は無罪」。裁判長の声が法廷に響くと、傍聴席はどよめき、12人の弁護団のなかには小さくガッツポーズしたり、握手を交わしたりする姿も。金子被告は裁判長に深くお辞儀をして被告人席につき、判決理由に耳を傾けた。 金子被告は1審公判
今回から数回にわたって,Winny著作権法違反幇助事件の判決(注1)を取り上げていきます。 この事件の概要については,すでに多くの報道がなされており,多くの説明は必要ないでしょう。ファイル共有ソフトの1つである,Winny(ウィニー)を開発した金子勇氏(以下,「金子氏」)が,金子氏自身のHP上で同ソフトを公開し提供していたところ,著作権法違反行為を幇助したとして,刑事責任を問われている事件です。 この事件では,ソフトウエアの開発者が逮捕,起訴されたということで,ソフトウエア開発者の間で大きな反響がありました。 上記事件の第一審判決についても,既に報道で大きく取り上げられていたのでご存じの方も多いかと思います。金子氏は150万円の罰金に処せられています。罰金刑ということで刑罰としては比較的軽いものとなっていますが,それでもやはり有罪です。もちろん,この事件は控訴(注2)されており刑罰は確定し
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