大人になってから気づくことも多いという、「ASD(自閉症スペクトラム障害)」。ASDとは、コミュニケーションや興味、こだわりなどについて特異性がみとめられる、発達障害のひとつです。発達障害を専門とする医師・宮尾益知さんの『発達障害と人間関係 カサンドラ症候群にならないために』によれば、ASDの罹患率は68人に1人の割合(1.68%)とも報告され、日本の人口に当てはめると180万人以上にのぼる計算に。 特に、男性の罹患率は女性の約4倍多いとされていることから、「ASDの夫を持つ妻」がコミュニケーション不全をはじめとする夫婦不和に思い悩み、心身ともに様々な不調をきたす「カサンドラ症候群」に陥るケースが少なくないと言います。 「カサンドラ症候群」とは一体何か、そしてASDの夫のどんな言動が引き金になるのか――今回は特別に本書から一部抜粋してご紹介します。大人の発達障害について理解を深めることで、