大阪哲学同好会で「死んだら苦痛がなくなるか」に関して討論する機会があった。思考が少しまとめられたので記しておく。 死後など無いものとし、死んだら何も無くなってしまうとするのであれば、耐えられない苦痛を持っている人は死ぬことによって、少しはマシになるのじゃないか。だって、とりあえず何もなくなるのであるから、苦痛のマイナスが無くなる分だけマシなはずだからだ。 でも僕はこの考えが間違っていると思う。 死によって苦痛が0値になるのではないと思うのだ。死は苦痛を0でさえないものにしてしまうので、生き残って苦痛があるのと死んで苦痛がなくなるのとは、比べることなどできないと思うからだ。 『無門関』の「狗子仏性」という話の中で「犬に仏性があるか?」と問われた老師が「無。」と答えたのは「ナシ。」と読んではいけないそうだ。「ム」と読まないと意味がないのだそうだ。 それは、「無(なし)」と答えるのは、犬の仏性が