津田大介はSNSが流行らなければ、今でも売れないライターであっただろう。時代の流れが、それにフィットした人間を押し上げていくのである。ネットはもともとは一人遊びの世界であり、いわば多動性の空間だったのである。面白がるという感覚が支配していた。津田のようにソーシャルスキルが高い人間は、自分だけで盛り上がることはないし、津田がディスプレイの前ではしゃぎながらツイートしている様子はまったく思い浮かばない。津田のような落ち着きのある人間はポーカーフェイスで面白くはないのだが、SNSにはフィットしたのである。津田大介が立派な人間だということは決してあるまいし、裏では品性下劣であろうが、自分一人ではしゃいで面白がるというトラブルメーカー特有の気質がまったくないので、SNSではかなり有利である。SNSだけの時代という具合になったのは、面白がるというのが、面白いとイコールではないからである。SNSが最高と