「気泡(バブル)」と聞いて、何が思い浮かぶだろうか? 「空気を含んだ丸いもの」というイメージからは、シャボン玉、コーラの炭酸、ジャグジー、風船ガム...。「弾けて消えてしまうもの」なら、急ピッチで上昇を続ける局面の株価かもしれない。 広辞苑(岩波書店)によると、気泡は「液体または固体中にあって気体を含む微小部分」と定義される。でも何だかよく分からない。そこで気泡に詳しい、国立研究開発法人・産業技術総合研究所の綾信博・上席イノベーションコーディネータを取材した。 産業技術総合研究所の綾信博・上席イノベーションコーディネータ (写真) 筆者 RICOH GR 使用 約120年前に始まった気泡の研究 綾氏によると、気泡の研究は約120年前にさかのぼるという。当時、船の推進装置が水車からスクリューに代わり、海上交通の高速化が始まっていた。 その一方で、スクリューの回転時に発生する泡が原因で、①船が