ソウヤーの最高傑作。 ファースト・コンタクトもの。エイリアンの滞在する施設で、地球人の惨殺死体が発見され、容疑者としてエイリアンが逮捕されてしまう。相手がエイリアン? 知るか! 裁判だ裁判!……というストーリー。さすがのコモン・ローもこれには苦笑い。SFとしてよりも異色の法廷ミステリとして楽しめました。 一応殺人事件なので、みんなマジメに陪審制の裁判に取り組むんですが、その過程がシュールで笑えます。主人公はエイリアンを弁護する側に立って闘うことになるんですが、法律的な話をすると全てギャグに聞こえてしまう。たとえばエイリアンに「心神喪失」は適用できるのか? 人間の基準で気がふれているということをたとえ立証できてもそれがエイリアンの基準でごく正常のことだったらどうすればいいのか? とか。法学部生ならにやりとできますよ。 ほかにも、検察側と弁護側が陪審員候補向けに作った質問表なんかが笑えました。
![イリーガル・エイリアン / ロバート・J・ソウヤー - 誰が得するんだよこの書評](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e183edddab96aa02706d5740c70dc5e771276ba9/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fimages-jp.amazon.com%2Fimages%2FP%2F4150114188.09.MZZZZZZZ.jpg)