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学生が就活で会社に求めるものの一位は安定性だという。安定性とは、定年まで給料がもらえてご飯が食べられることらしい。しかし、その考え方は、何もしなくても当たり前のように給料が口座に振り込まれると考える「大企業病」である。今は、大企業でさえいつ経営が傾くか分からない時代。それなのに、安定性というものは、会社に一方的に求めるだけでよいのだろうか。社員が稼ぎ、会社に成果をもたらし、貢献してこそ給料がもらえる。ましてや新卒から数年間は半人前の稼ぎしかないのだから、一人前になってから倍返ししなければならない。給料はもらうものでなく、自分の手で稼ぐもの。義務を果たし続けるからこそ、権利が手に入ることを忘れてはならない。 では、安定性とはどうやって得るものなのか。それは、会社にではなく、自分自身に求めるべきだ。自分の商品価値を高めれば、万が一会社に何かあっても生き残っていける。そういった価値ある自分になる
スポニチ Sponichi Annex 平山譲のスポーツ百景～インサイド・ストーリー～
秋雨前線が南下した残暑厳しい９月の日曜日、小森忠昭（こもりただあき）さんは大きな鉄板の前で焼そばを焼いていた。着ている白いＴシャツは腹部が目立ち気味で、体が重たげな３４歳。額から噴き出す汗を袖口で拭（ぬぐ）いながら肩で息をしている姿は、肉体労働に慣れていないようで過酷に見える。 「一日こうして動いていると、へとへとになります。でもね、たくさんお客さんが来てくれたり、子どもたちが喜んでくれたりすると、また次回も頑張ろうと思えてくるから不思議です」 小森さんは、焼そば屋ではなく、一般企業で経理を務めるサラリーマン。一つ３５０円の焼そばをどれだけ売っても、出費の足しになるだけで、儲（もう）かりはしない。独身だという彼に彼女がいるか訊（き）くと、湯気で曇った銀縁眼鏡の奥で片方の目を瞑（つむ）った。 「そんなのいません、まったく予定もなし！（笑）時間もないし、なんせ僕には、おカネがかかる『ゼルビア』
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