この突然の報に驚く向きもあったが、2011年12月の就任以来、池田氏を見つづけてきた人間からすれば「なるほどね」と思える、絶妙のタイミングだった。 5年と長くはない期間でDeNAという球団をあらゆる面において急成長させてきた池田氏の決断力と展開力、そしてスピード感を鑑みれば、納得せざるを得ない判断だと言える。 しかも退任にあたって大仰な記者会見などは行わず、記者を集めて“囲み取材”をして、それでおしまい。「なによりもファン優先、選手優先、裏方が目立ってもしょうがない」と池田氏は常々言っていたが、それを地で行くエンディングだった。 とはいえ「目立たない」といっても斬新なアイデアを連発する能力の高い経営者だったことから、いやが上にもスポットライトを浴びることは少なくなった。ゆえに他球団のトップと比べれば“顔の見える”経営者だったことは間違いない。 池田体制最終年となった2016年シーズンの横浜