その昔。 私が住んでいた都会でも田舎でもない平々凡々なマチにドムドムハンバーガーができた。 小さな駅の横に「ファーストフード店が建った!」と皆が浮かれて食いついた。 子どもでも手の届く値段のコロッケバーガーを食べながら、友達と待ち合わせもした。 まだ携帯電話もなかった時代の話である。 それから様々なファーストフード店が建ち、駅横という立地の上でドムドムを訪れることはあっても、わざわざ「ドムドム行こうよー」とまでは言わなくなった。 マチに溶け込んだ「そこにあるのが当たり前」だったドムドム。 何年か経ち、駅の建て替えを機に、私のマチからドムドムが消えた。 少しずつ、姿を消していくドムドム。 今や探すのが困難かも知れない。 *** 数年前、千種を訪れた時のこと。 息子が「お母さん、あのハンバーガー屋さんなに?ドムドムハンバーガーって初めてみた!」と言った。息子の指差す先には確かに見覚えのあるゾウ
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