今年もミステリー界は豊作だが、その中でもひときわ注目を集めている作品がある。若干25歳にて作家デビューを果たしたアメリカの新鋭ロジャー・ホッブズの『ゴーストマン 時限紙幣』(文藝春秋)だ。すでに出版社サイトにインタビューも掲載されているが、今回はその完全版をお届けする。若き俊英の声を聞いてください。 (聞き手:文藝春秋・永嶋俊一郎) ──あなたは20代前半でデビューを果たしました。いつ頃から文章を書きはじめたのでしょう。 RH 自分が何で生計をたてたいのか早いうちに悟ることができたのは幸運でした。はじめて小説を書いたのは──ひどい出来の短いSF小説でしたが──13歳のときです。両親がパソコンを買ってくれて、それを起ち上げるや、わたしはキイボードを叩いていましたね。 それ以降もずっと書きつづけていましたが、これを仕事にしようと決めたのはハイスクール時代で、このあいだに五作の長編を書き上げて、