テーブルトークRPGのゲームマスターの醍醐味は何か? 思うに、情報管制がある。 TRPGのゲームマスターの楽しみは、オリジナルな自分の世界と物語を見せうることである、という説明を聞いたことがあったが、的からけっこう遠く、言い得ていないと思う。そういうのは、TRPGのゲームマスターよりも、物を書きあるいは描くののほうが、ずっと的に近いようである。 TRPGで運用される物語というのはそれ自体オリジナリティの高い、新規性や意外性のあるものである必要はない。むしろ凡庸さをきらい新規性や意外性にこだわったため、筋の悪くなる場合も多い。いわば、TRPGでゲームマスターが提供する情報には、それ自体には、オリジナリティは求められない。ないくらいで、いい。 TRPGでゲームマスターがプレイヤーを駆動する力は、情報の新規性ではなくて、情報を提供する順番にある。コンテンツ全体の中から情報を適切に切り分けて与えて