アーザル・ナフィーシー 『テヘランでロリータを読む』を読む。 基本的に真面目な本は嫌いではなく、書評にもちょうどいいかと思って読んだのだが、これ、全く推薦できない。今月の書評済みリストを見たら誰かがやった後だったので、本当に助かった。推薦できない理由は以下の通りである。 1. 最低の文学趣味によって綴られたナルシスティックな文章が延々と続く。正直、読者はテヘランの書き手の部屋のどこに鏡があったかになどまるで興味がないし、まして書き手のシャワーシーンには全然興味がない。『ロスト・イン・トランスレーション』女というのはどこにでもいるもんだね。 2. 斯様な最低の文学趣味の帰結するところは日を見るまでもなく明らかである。「読む」のはいいが、読解のレベルは中学生並み。テヘラン大学文学部全体のレベルが斯様に低いとは思えないから、これは偏に書き手の問題であろう。しっかしね、ハンバート・ハンバート=女の