第33回 何のためのODAか、日本は意思を示せ 東京財団前会長 日下 公人氏 2006年6月15日 “ODAの司令塔”が動き始めた 去る5月8日に「海外経済協力会議」の初会合が開かれた。小泉純一郎首相を議長として、ODA(政府開発援助)戦略の根本的からの検討を目指したこの会議は、官公庁の縦割りで行われてきたODAを見直して、効果的な外交ツールに変えるために設置された。 ODAが戦略性に欠けた発展途上国への金の“バラまき”であり、外交効果が薄く、税金の無駄遣いとなっていることは、長年指摘されてきた。海外経済協力会議の主な役割は、政治主導のODAを実現することである。なぜならODAは、外務省をはじめ旧大蔵省(現・財務省)、通産省(現・経産省)など、関係各省庁の不正や天下りの温床となってきた背景があるからだ。 この海外経済協力会議を内閣府に作った理由は、簡単にいえばODAに関する司令