※このエントリーはhttp://d.hatena.ne.jp/otokinoki/20060413/p3にインスピレーションを受けた文章です。 序論・80年代的バトル漫画とは。 80年代は父権の打倒、あるいは親子の融和が大きなテーマだった。いずれにせよ、「父権性」が漫画の問題意識だったと思われる。例えば、梶原一騎の作品に、その典型が見られるだろう。 「巨人の星」の星一徹(あるいは、マス大山)的な「分かりやすくでかい父親」像は「強くなりたい」幻想の源流となった。 父権にまつわる問題は、要するに「子(=主人公)の着実な成長」についてであり、漫画という視覚的な分野においては「強くなること」こそがもっとも端的な「成長」をあらわす方法だったので、すごいパンチが打てたり、すごい剛速球が投げれることを描くことが、この時代の中核を担うこととなった。*1 この「強くなりたい」幻想はやがて、「ドラゴンボール」