おれはオタだから不測の事態に備えるための心構えとはいかなるものかを考えるのが大好きだが、実際に不測の事態に陥ったとき役に立つのはそういった心構えなどではなく、身体ひとつぶんの経験というか、そこに依拠する咄嗟の応用力だということも残念に思いながら理解している。平穏に暮らすオタの日常から得られる経験量などわずかなものだ。それを粘土細工のようにこねくりまわして目の前の事態に対して適切な態度を速やかに作り上げないといけない。そううまくいくものではない。それができるようならアーティストなりクリエーターなり名乗ればよい。さっきまでの連続性という安心、枷でもあるが、そういうものを過去に捨て置いて、いきなり異物になれるということだからだ。 なにを書きたかったのか忘れてしまったので思い出して要点だけ書くと、「オタクと恋愛」の話のうえで、オタにとってより対処に困るのは、誰からもモテないことではなく、ある日突然