序*1 第二次世界大戦後の東南アジアの政治を語る上で欠かせないのが、「開発体制」と「独裁政権」である。この二つをベースとした権威主義体制が、東南アジア各国の驚異的な経済的発展を可能とした。政治的な自由を犠牲にしつつ、開発を優先し経済発展に努めたのである。「権威主義開発体制の正当性は、経済発展を続けるために権力と資本を集中させたほうが効率的*2」という考えが元にあったのだが、1997年7月にタイで起こったバーツ暴落に起因するアジア金融危機により、これまで右肩上がりの成長を続けてきた東南アジア諸国にも翳りが見え始めてきている。このことが、これまで正当化されてきた東南アジアの権威主義体制の基盤を揺るがす事態となっている。「成長イデオロギーの国民的共有*3」が不可能となったとき、それが、東南アジア諸国の民主化及びガバナンスに与える影響は大きいと予測される。この事態に直面している現在、東南アジア諸国
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