唖然とした一日であった。 通常、検察捜査において任意の事情聴取は朝から行われる。また、逮捕も早朝に行われる場合が多い。 記者会見など開いてのうのうと「弁明」する時間は、ほとんどの被疑者にはない。 検事調書へのサインまで済ませた男が、昼間に東証に姿を現し、記者会見で熱弁を振るっている姿は、司法実務の常識からすれば、異様そのものである。 6月の検察人事異動を前に村上ファンドに切り込んだ特捜検察。 しかし、瑣末な事実をあげつらって、村上をインサイダー疑惑の立件だけに止めるならば、やはりそれは検察の敗北と言って良いだろう。 ときどき、それはもう得意げに堀江とのやり取りを語り尽くす村上の記者会見。 医師である妻は、「人格が歪んでいる。発達障害なんじゃないかな?」とつぶやいた。 医師としての所見はともかくとして、私は、彼がいったい「誰に向かって」メッセージを発しているのだろうか。そんな疑問を持ちながら