大分前に書いた成瀬巳喜男の『鰯雲』についてのエントリ(id:kaikaji:20060214#p2)に若手の映画研究者の方からトラックバックを頂いたが、そこで紹介されている「春嫁と秋嫁」の話はすごい。 嫁に春嫁と秋嫁と言うのがある。春嫁、つまり三月から四月ごろまでに貰う春の嫁は、貰い方の勝ちで、くれ方の負けだとされるのは、貰う早々、ムダめしも食わせず野良へ連れ出せるからである。これは貰い方の優位な場合そうなる。秋嫁、つまり秋の穫り入れがすんでから貰う秋の嫁は、それから秋、冬と長い間ムダめしを食わせてあそばせてからでないと、野良がはじまらない。この方はくれ方の優位な場合である。(十六) 「封建的」云々というより、あまりにその発想が経済合理的なのに驚かされる。思わずbewaadさんによる一連の「農家の経済学」のエントリを連想してしまった。 http://bewaad.com/20060608.