第弐拾弐話ではアスカが精神攻撃を受けたが、この「第弐拾参話 涙」ではレイが肉体と精神を使徒に侵蝕されてしまう。第拾六話でシンジが使徒の言葉に翻弄され、第弐拾弐話でアスカがその攻撃に大きなダメージを受けたのに対して、レイは使徒と堂々と渡り合っている。結果的にはシンジとひとつになりたいと願っていた事を利用されてしまうのだが、彼女はシンジやアスカと違い、精神的な脆さはない。後の「第弐拾伍話 終わる世界」でも、彼女は補完の対象にならないのだ。それはレイが普通の人間でない為でもあるのだろうが、むしろ、彼女が生や自分の存在に対して諦観しているからだと考えたい。 この話のサブタイトルは「涙」。第16の使徒との戦いで、レイは2度、涙を流す。彼女の爆死にミサトは涙をこぼし、シンジはその事で涙が出ないと呟く。そして、現れた3人目のレイは、彼女が記憶していないゲンドウの眼鏡に涙する。リツコの祖母は可愛がっていた