第8回 小さなことでも「一番」を目指せば人は変わる 株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏 2006年6月23日 優秀な人材が欲しいなら、今いる社員を鍛える以外にない わたしが株式会社武蔵野の社長に就任したのは1989年のことです。当時、同じ業界の人からは「武蔵野はもう一年とは持つまい」と言われました。わたしは「ああ、さすがに見る目があるなあ」と思ったものです。社長と社員を見ればそう言われて当然です。とはいえ、ここではわたしのことは棚に上げておきましょう。 当時の社員は、どうにも覇気のない連中ばかりでした。なんだか魚の腐ったような目をしている。自分に誇りが持てていない証拠です。誇りがなければ良質の仕事もできるはずはない。どうしたものかとわたしは頭を抱え、一時は本気でやる気のない社員を解雇することも考えました。しかし、その直前で「待てよ」と思い直したのです。 覇気のない社員を解雇したと