途中からは予想されたことではあるのですが、なんとも情けない結末・・・ 国内製紙最大手の王子製紙は29日、北越製紙に対する株式公開買い付け(TOB)について「買い付けの条件変更を行わない」と発表した。目標としていた50%超の北越株取得は困難な情勢で、篠田和久社長は「買い付けは不成立の方向と理解して結構」と事実上敗北を宣言した。 王子が先鞭(せんべん)を付けた同業相手のTOBだったが、日本での敵対的買収実現に立ちふさがるハードルの高さが改めて浮き彫りになった。 王子製紙は9月4日を期限として買い付け価格800円で、北越株50%超の取得を目指した。だが、三菱商事が24・4%の北越の第三者割当増資を引き受けたほか、TOB阻止に向けて業界2位の日本製紙が8・85%の北越株を保有した。加えて、地元の第四銀行や北越銀行などの主要株主もTOBに応じない方針を表明。目標とする株式取得が厳しい情勢になっていた