6月9日金曜午前9時43分、米IBMのサミュエル・パルミサーノ会長兼CEO(最高経営責任者)は東京都内のホテルで、「Why Innovation? Why now?」と題して講演した。この講演は、IBMの顧客となっている企業の幹部に向けたものであったが、報道関係者の出席が認められた。2002年3月1日からIBMのCEOを務めているパルミサーノ会長が、日本の報道機関の前に姿を見せたのは今回が初めてである。 パルミサーノ会長は30分間スピーチしただけで質問は受けなかった。記者会見は開かず、個別取材も受けない。CEOになって4年以上経つが、パルミサーノ会長は日本の報道機関の取材を一度も受けていないし、記者会見もしていない。 日本やアジア諸国を軽視しているわけではない。パルミサーノ会長はしばしば、日本や中国、インドを訪れている。ここ数年、売り上げが伸び悩んでいるとはいえ、日本はIBMにとって米国に